猫
猫と触れ合える「猫カフェ」。その名のとおり、お茶を飲みながら、猫ちゃんに触れあうことができ、癒やされる素敵な場所です。猫飼いも「行ってみたいな〜」とは思いつつも、これまで実際に行動に移したことはありませんでした。しかし、先日訪れたエリアに「保護猫カフェ」を発見しました。これも何かのご縁かと思い、「保護猫カフェ」へ訪問しました。どんな場所だったのか、レポートしていきます。
保護猫カフェ「ネコリパブリック」を訪問
今回訪れたのは自走型保護猫カフェの「ネコリパブリック」です。「ネコリパ」とも呼ばれている保護猫カフェです。お店の名前自体は聞いたことがありましたが、訪問したことはありませんでした。ネコリパ目当てでそのエリアを訪れたわけではなかったのですが、これも何かのご縁かと思い、訪問してみることに。
訪れたのは「ネコリパブリック東京 お茶の水店」です。同系列の他のお店はわかりませんが、お茶の水店は完全予約制のため、入店するには予約が必要です。ネットか電話で予約です。ただし行きたい時間帯が直近の場合だとネットからの予約ができなかったので、その場合は電話のみになるのでお気をつけくださいね。急遽訪問することになったので、電話で予約しましたが、とっても感じのよいスタッフさんが対応してくれました。ただ、電波の都合上なのか、電話の声が途切れ途切れに聞こえました。たまたまかもしれませんが……。
東京都文京区湯島3丁目1-9 CRANEビル4階
お店はビルの4階です。エレベーターがなかったので、4階まで徒歩でのぼります。ちょっとしたいい運動だと捉えてお店に向かいましょう。
入店には「入国確認書」の提示が必要
お店に入り予約した名前を伝えると、スタッフさんが笑顔でお出迎えしてくれました。これから猫ちゃんと触れ合うことになるので、手だけでなく、からだの前と後ろも消毒を施されます。消毒を終えたら受付へ案内されます。猫と触れ合うエリアに入るには「入国確認書」なるものが必要です。
LINEで「ネコリパブリック」を友だち登録し、そこから入国確認書を取得するために質問に答えます。
15問ほどの設問があり、それらに答え終わると、登録したメールアドレス宛に「入国確認書」が届きます。
メールに届いた「入国確認書」をお店のスタッフさんに見せると、いよいよ入店することができます。猫ちゃんのいるお部屋には貴重品以外の荷物は持っていけません。受付に置いていかなければなりません。ロッカーなどはなく、棚に置いておくだけなので、気になる方は貴重品以外は持って行かない方がいいでしょう。
いざ、猫ちゃんのいるお部屋へ潜入!
受付を済ませると、洗面台へ案内されます。これから猫ちゃんたちと触れ合うため、手をしっかり洗って消毒するのです。手洗いをしながら、お店のスタッフさんにお店のなかの状況を口頭説明されます。訪問したお茶の水店は部屋が3つあるのですが、どのお部屋でも猫ちゃんが脱走しないよう、扉が二重になっているため、出入りをする際に扉をしっかりと施錠したうえで、鍵をかけてくださいと案内されました。利用料金以外に、別料金を支払えば猫ちゃんたちにおやつをあげることもできるそうです。
そして、いよいよ入室! まずは一番大きそうなお部屋に入ったところ、10数匹のかわいい猫ちゃんたちと対面することができました。他のお客さんとしていらっしゃっていた小さな少年が、おもちゃを使って猫ちゃんと楽しそうに遊んでいました。かと思えば、キャットタワーで静かにくつろぐ猫ちゃん、部屋の四隅で丸まって寝ている猫ちゃん、まったく我関せずな感じで歩く猫ちゃん。さまざまな性格の猫ちゃんがたくさんいました。とにかく、かわいい、かわいい、かわいい。お店にいる猫ちゃんは去勢、避妊手術が施されているようで、そのしるしとなる“サクラ耳”になっていました。
部屋の壁には、現在お店にいる猫ちゃんの一覧が貼られています。名前と保護された経緯などが簡単に書かれていました。ボランティアさんに保護された猫ちゃん、多頭飼育崩壊のお家から保護された猫ちゃん、兄弟で保護された猫ちゃん……。過酷な状況で保護された猫ちゃんもいて、猫と暮らす者としては、その経緯を読むだけでなかなかつらい気持ちにもなりました。都内近郊で保護された猫ちゃんばかりがお店にいると思っていたのですが、奄美大島で保護されて、お店にやってきた猫ちゃんもいました。
お茶の水店には「りんご猫」と呼ばれる猫ちゃん専用のお部屋もあります。「りんご猫」とは、ネコリパブリックが作った造語で、猫エイズウイルスに感染している猫ちゃんのことを指します。
なぜ、「りんご猫」と呼ぶのか、ネコリパさんのホームページで説明されています。
猫同士のケンカの傷などから猫から猫へ感染してしまうリスクがあるので、「りんご猫」の猫ちゃん専用のお部屋が用意されているのですね。“エイズ=悪い病気”と思うかたもいるかもしれませんが、発症しなければなんら変わりない生活を送ることができるのです。
「りんご猫」のお部屋にいる猫ちゃんも、「りんご猫」であるといわれなければ、ハタから見ればまったくわかりません。人懐っこくなでたら喉を鳴らしてくれる猫ちゃん、ダンボールサークルの中でじっとしてるけど、頭をなでたらしっかり触らせてくれる猫ちゃん、お腹をごろんとしてサービスショットをしてくれる猫ちゃん。このまま発症することなく、寿命を全うしてほしいと願ったものです。
そうそう、“猫カフェ=座ってゆっくりお茶を飲める”と思っていたのですが、そこは少しイメージが覆されたかもしれません。座って、お店のスタッフさんがお茶を持ってきてくれるわけではなく、お茶は奥の部屋にある冷蔵庫から取ってくださいね、というスタイルでした。冷蔵庫に入っている飲み物も缶ジュースなどでした。エスプレッソを入れたカフェラテが飲みながら猫ちゃんに癒やされたいと思うと、少し残念に感じる方もいるかもしれないので、とにかく猫ちゃんに癒やされる空間だと思っておくといいですね!
「ネコリパブリック」を訪問して感じたこと
テレビの特集などで、多頭飼育崩壊の現場からレスキューされる動物の映像は見たことがありました。しかし、多頭飼育崩壊の現場からレスキューされた猫ちゃんを見たことはありませんでした。人間が思っている以上に心に傷をおっているかもしれない……と、勝手ながら妄想し、それでもたくましく元気に生きている猫ちゃんを見て、強いなぁ……と。もちろん、多頭飼育崩壊の猫ちゃんだけではありません。保護された猫ちゃんのなかには、人間からいじわるをされた猫ちゃんもいるでしょう。嫌なことをされて、人間を恨んでいる猫ちゃんもいるかもしれません。それでも、すべての猫ちゃんに幸せなご縁があって、幸せになってほしいと強く強く願いました。今の自分の生活では、保護猫を迎え入れることができない状況が心苦しい気持ちにもなりましたが、生活環境が整い、もし2匹目を迎え入れたいなと思ったときには、ペットショップやブリーダーさんからではなく、保護猫を迎え入れたいなという気持ちを再認識することはできました。
もちろん、猫ちゃんに癒やされたい、猫ちゃんと遊びたい!という方にとっても、いい時間が過ごせる場所だと思います。
「ネコリパブリック」では保護猫を迎え入れることが可能
「ネコリパブリック」は自走型保護猫カフェのため、お店にいる猫ちゃんを保護猫として迎え入れることが可能です。もちろん、誰でも里親になれるわけではなく、審査があります。ネコリパブリックから保護猫を迎え入れたことがないので、審査基準はわかりませんが、ホームページでも“ある程度の厳しい審査がある”と書かれていました。
いつか保護猫を迎え入れる環境が整ったら、ご縁があればネコリパブリックさんにお問い合わせしてみたいなとも思います。いつになるかわかりませんが、目的があると、生活にもハリが出るような気がしますね。
保護猫を迎え入れられなくても間接的な支援も可能!!
保護猫を迎え入れる環境が整ってないけど、なにか力になれることがあれば……とお考えの方もいらっしゃると思います。そんな方は、ネコリパブリックさんから出ているグッズを購入したり、寄付などで力になることもできます。これも立派な支援ですよね。
ネコリパブリックに訪問した日、おうちに帰って愛猫に会うと“いつ、どうなるかわからない1日1日を大切にしなくてはならないな”と改めて感じました。愛猫と暮らしながら、自分なりに猫ちゃんたちにできる支援を考えていきたいなと感じました。