猫
初めて猫を迎え入れようとおもったときに、みなさんはどこを思い浮かべますか? おそらく、大半の方は「ペットショップ」を一番最初に挙げられるのではないでしょうか。今回はおかーちゃんが唯一後悔していることを踏まえ、これから猫を迎え入れようと思っている方がペットショップに向かう前に、別の選択肢もあるということをお伝えする記事になります。
初めての猫飼いを決意! どこから迎え入れる?
猫と暮らすことを決めてから、我が家では具体的に猫を迎え入れる場所を検討しました。最初に思い浮かべた場所は「ペットショップ」。それは夫婦揃ってこれまで一度も動物と暮らしたことがなかったため、動物に関する知識をまったく持ち合わせていなかったからです。そのため「動物を飼う=ペットショップで買う」という発想しか生まれなかったのです。ただ、個人的にペットショップに違和感を持っていたのも事実でした。いつもペットショップを通るたび見かける、狭いケージのなかでしか過ごすことができない犬や猫。有名なペットショップに行けば、破格の値段(高すぎる)がついている。ものすごく人間にとって都合のいいビジネスにされているような気がして、うまく言葉にできないモヤモヤを感じ、ペットショップから迎え入れることを躊躇していました。
その気持ちを猫と暮らす友人に話したところ、ブリーダーさんから迎え入れる方法があることを知りました。ブリーダーさんなら、きっと愛情がかけられているだろう。ビジネスビジネスしてないだろう。そんな勝手な妄想を経てブリーダーさんから迎え入れることを決めました。
どのようにブリーダーさんを見つければよいのか調べていると、猫を迎え入れたい人とブリーダーさんが直接繋がることができるサイトがあることを知りました。利用したのは「『みんなの子猫ブリーダー」というサイトです。
このサイトはエリアや猫の種類だけでなく、ブリーダーさんの名前を直接指定して検索することができます。実際にこのサイトを経由して猫を迎え入れた方は、ブリーダーさんを口コミ評価することができます。いきなりまったく知らない人とやりとりするのはハードルがなかなか高いと思われる方も多いかと思いますが、口コミ評価があることで、ブリーダーさんの人となりをなんとなくでも知ることができます。我が家も、迎えに行けるエリアや猫の種類、口コミ等を総合的に判断し、ブリーダーさんを選びました。実際にお会いしたブリーダーさんは口コミ通り、本当に猫への愛が溢れている方でした。やはり、今の時代、口コミの影響は大きいですね。
SNSを始めて「保護猫」の存在を知る
「SNSは誹謗中傷の世界だ」と思い込んでいたため、猫と暮らすまでSNSはまったくの無縁だった飼い主。ただ、猫を迎え入れたタイミングで猫の成長記録にもなればと思い(最初はバズってアイドル猫にならないかなって思ってました。すみません……)SNSを始めました。そこで猫好きの方とたくさん繋がることができました。当時は「SNSなんて……」と敬遠していたのですが、これまで知らなかった世界を知るきっかけになりました。そして、いい意味のギャップですが、SNSの猫好きのみなさんは本当にとてもお優しいんです(涙)。
そんななか、SNS経由で知ったのが「保護猫」という存在でした。保護猫とは、その名の通り「保護された猫」のことをいいます。理由はさまざまですが、保健所から殺処分寸前で引き取られた猫、多頭飼育崩壊のおうちから保護された猫、飼い主に捨てられた猫のことをいいます。猫が暮らす世界に、こんな過酷な状況があるだなんて思いもしなかったため「なんて自分は無知だったのだろう」と、動揺したことが今でも忘れられません。そして、保護猫たちが新しい飼い主さんを見つけられるよう、譲渡活動をしているNPO法人がたくさんあることも知りました。SNSではNPO団体のアカウントが里親募集の投稿をしているのを何度も見かけ「どうして、もっと早くこんな大事なことを知らなかったんだろう」と自分を悔やんだ瞬間でした。
猫をブリーダーさんから迎え入れたことは、1ミリも後悔していません。そもそもSNSを始めるきっかけをくれたのはこの子です。この子がいなければ、きっと今でもSNSとは無縁だったでしょう。SNSを始めていなければ「保護猫」という存在に、今も気付いていなかったことでしょう。だけど、もう少し早く知っていたら、自分は違う選択肢をしていたのではないかとも思うのです。冒頭で書いた「おかーちゃんが唯一後悔していること」とは、保護猫の存在を知らないまま、きちんと猫の世界について調べなかったことです。もし、これから猫を迎え入れようとしている人が、この記事を読んで「保護猫」という存在を知り、興味を持ってくれたとしたら、こんな嬉しいことはありません。
NPO団体から「保護猫」を譲り受けるには?
もし「保護猫」に興味を持った場合はどうしたらいいのでしょうか? 実際に我が家は「保護猫」を迎え入れたことはありませんし、譲渡の条件も各団体によって異なるため、一概には言えませんが、団体が開催する譲渡会などに参加→審査やトライアル(お試しで期間を定めて猫と暮らすこと)などを経て、猫を譲り受けられるかどうかが決まるそうです。さらに、ペット可の物件かどうかを調べるために物件の契約書を提出する場合や、実際に団体の職員さんが家庭訪問をします、と決めている団体もあるようです。
ネットで「保護猫 NPO」や「保護猫 団体」で検索するだけでも、たくさんのNPO団体が出てきます。「保護猫 東京(エリア名)」など、エリア名を入れてSNSで検索してもいいかと思います。気になる人はぜひ調べてみてほしいなと思います。
今はまだ具体的に考えていませんが、もしまた猫を迎え入れたいなと思ったときは、絶対に保護猫から迎え入れたいと思っています。そして、今、自分にできることが何かないだろうかなんてことも考えています。
「保護猫」の存在を知ってから新たに知った衝撃の事実
最後に「保護猫」について調べていたときに、新しく知った事実についても書いておきたいと思います。保護猫として保護される猫のなかには、ペットショップの店頭に並ぶ条件に合わなかった猫や、人間の都合で何度も出産をさせられた挙句、歳をとり、もう子猫が産めなくなったからという理由で手放される猫もいるそうです。もちろん、すべてのペットショップがそうではないそうですが、実際にそのようなケースもあることを知りました。
さらに、最近ニュースなどにもなっている「多頭飼育崩壊(たとうしいくほうかい)」は一般のおうちだけではなく、ブリーダーさんのおうちでも起きているという事実もあるそうです。この事実を知るまで「ブリーダーさん=猫が大好き、ビジネスビジネスしていない」と思っていましたが、“猫はお金になる生き物”としてしか見ていないブリーダーさんが、結果的に、多頭飼育崩壊を引き起こす場合もいることを知りました。我が家がお会いしたブリーダーさんは、本当に素敵な方で、猫ちゃんひとりひとりに愛情をかけて育てていらっしゃっていたので、そのイメージが先行し、ブリーダーさんは全員愛情をかけていらっしゃる方だと思っていましたが、全員がそうではないという現実を知りました。
こういう事実は、なかなかニュースとして取り上げられることもないため、自分から率先して情報を知りにいかないと知れないことでもありますが、もっと動物たちが生きている世界をたくさんの方に知っていただけたら嬉しいなと思います。
ブリーダーさんの愛をたくさん受けて育ち、我が家にきてくれた愛猫に感謝し、大切に育てていかなくてはいけないなと思わされました。