猫
猫はよく“柔軟性がいい”といわれる生き物です。猫を迎えた初日に我が家で起きた、ある事件で我が家では嫌といっていいほど、“猫は柔軟性がいい”という事実を突きつけられました。いったい、我が家で何が起きたのか? そして、そこから飼い主が学んだこととは?
<猫神隠し事件が起きるまで>猫を迎え入れる初日
我が家の猫は、とても親切で優しいブリーダーさんによって育てられました。引き取りができるまで、ブリーダーさんの家で生活し、いよいよ我が家で暮らすことができるようになった日に、猫を迎えに行きました。
猫はすぐに引き取りができるわけではありません。これには動物愛護法という法律が影響しています。猫を販売目的で引き渡す場合、2016年当時は生後49日以下の子猫の販売は禁止されていました。2019年より法律が変わり、現在は生後56日以下の子猫の販売は禁止されています。
我が家の猫は、この法律があったため迎え入れを決めてから、実際に迎え入れるまで1ヶ月ほど時間があったのです。
余談ですが、猫をおうちに連れて帰るときに電車移動がある場合は、車でお迎えすることをおすすめします。「電車の中で猫に鳴かれたらどうしよう」「猫を連れていることを他のお客さんに嫌がられたらどうしよう」という心配の種がなくなり、猫を無事に連れて帰ることだけに集中できます! 車を出してくれる友人がいるのであればお願いしてみましょう。我が家は友人の厚意に甘えて車を出してもらって連れて帰りました。
<猫神隠し事件が発生>猫が一瞬にして行方不明に
友人の車での送迎のおかげで、ノーストレスで猫のお迎えが終了し、我が家へ帰宅しました。(本当に大感謝!)これまでブリーダーさんの家しか知らない、小さな子猫にとって、我が家ははじめましてです。
ウキウキした気持ちで、小さな小さな子猫をおそるおそるキャリーバッグから出します。子猫は小さなからだで家の中の探検を始めます。猫って初めての場所や知らない場所に来ると、匂いを嗅ぎ、安全かどうか確認しながら、さまざまな場所を探検するそうです。「おぉ、これが噂に聞いていた、猫の探検か〜」と、子猫が探検する姿を初めて見た飼い主は興奮。
子猫を姿を目で追いつつ、しばらく子猫の気の向くままに部屋の中を歩かせていました。子猫が洗面所に向かったのを確認し、5〜6秒目を離したところ、洗面所に向かっていたはずの子猫が突如姿を消しました。
え!!!!????
どこいった!!!!!?????
洗面所をくまなく探すも、子猫がいない!!!!!! まさかの出来事に飼い主の顔は一気に青ざめ、大パニック!!
えっ、えっ!!!!????
「待て待て。冷静に考えよう。落ち着こう。目を離したのは多く見積もっても10秒もないし、家の鍵はかかっていたし、外に出ることはありえない。いったいどこに!?」
心のなかで、自分を落ち着けようとするものの、突然の姿をくらましたことに動揺を隠せません。
「洗面所の下の棚の扉は閉まっている。お風呂の扉もしっかり閉まっている。洗面所に置いてあるものは、あとは洗濯機しかない。考えられるとしたら、洗濯機と壁の間にある隙間しかない気がするが、隙間は5cmもない。子猫いえど入れるはずがない……目を離した隙に、洗面所以外の場所に行ったのか……!?」
あまりにパニックになりすぎて、キャリーバッグから猫を出したはずなのに、キャリーバッグから出していなかったんじゃないかという妄想まで始まり、キャリーバッグの中を探し始める始末(笑)。目を離した隙にどこか別の場所へ行った可能性もあるかと思い、部屋中の至るところを探すも見つかりません。残る場所といえば、行方不明になった場所も踏まえ、隙間があった洗濯機の裏しかありません。見える範囲で洗濯機の裏をみるけど、猫らしき姿は見えない。でも、目視で完全に洗濯機の裏が見えているわけではないから、絶対にいないと断定もできない。だけど洗濯機を動かすと、洗濯機が壊れるかもしれない……。猫がいなかったとしたら、ただ洗濯機が壊れるだけになるかもしれない……。でも、そんなことをいっている場合ではありません。洗濯機が壊れる覚悟で洗濯機を動かすと……。
いた!!!!!!笑
洗濯機の裏の奥の奥の奥の奥に小さなからだで鎮座していました。手をのばし、救出成功。人間の寿命が縮まった出来事でした。猫のからだは人間が想像している以上に柔らかいことを身を持って体感しました。そして、人間が想像している以上に、とんでもないところへ入ることも身を持って実感しました。これから猫のお迎えを控えていらっしゃる方は、迎え入れる前に自宅のインテリアなどの配置を改めて確認し、あらゆる隙間をなくすことをぜひ意識してください!
まったくの余談ですが、人間たちが心配していた洗濯機は壊れることなく、現在も現役として大活躍してくれています(笑)。よかったよかった……。
<猫神隠し事件のその後>行き場を失った猫がふてくされる
洗濯機の裏から引っ張り出されてしまい、逃げ場を失い、知らない場所で行き場をなくしてしまった小さな子猫。小さなからだがさらに小さく見えてしまい、怯えているようにも見えて、ますます心配になってしまう人間たち。そこで、少しでも安らげる場所になればと思い、こっそり用意していた「手作り猫テント」を献上すると、その中にイン(笑)。
猫をお迎えに行く前にネットで「猫テントの作り方」という記事を偶然発見し、簡単だけど面白そうという理由で作ってみたのですが、作っておいて良かったです。いらないTシャツと針金のハンガーがあれば、30分もしないで作れるので、興味がある方はぜひ作ってみてください。意外と役に立ちましたよ〜。
我が家にやってきた初日は、結局夜まで猫テントから出てくることはなく、心配でたまらないまま就寝。翌日、休みの日はいつもなら時間を気にせず爆睡する人間も、子猫のことが気がかりだったのか眠りが浅く、珍しく6時台に目が覚めました。起床すると、猫テントから場所を変えて寝ていたようで、リビングにあるテレビの後ろから颯爽と登場しました。誰も教えていないのに、家具の配置を早速理解してくれたようです。
我が家にやったきて早々に巻き起こった神隠し事件ですが、SNSを見ると「猫が急にいないと思ったら、いつもいない場所にいた」という投稿を見かけるので、意外とどこのお家でも起こりえる事件なのかもしれません。人間が思っている以上に小さな隙間でもスルっと入っていくようなので、猫を迎え入れるみなさま、ぜひお気をつけくださいね。子猫はいろんな事を経験しながら学習していくようなので、迎え入れたばかりの頃は危険を省みず色んなことに挑戦するのだと思いますが、危険から守ってあげるのも飼い主の大切な役目ですよ!
<おまけ>手作り猫テントのその後
最後のオチとして、飼い主が手作りで作った猫テントのその後と書いておきましょう。飼い主の愛がたくさん詰まった手作り猫テント。猫も気に入ってくれて入ってくれていたのですが、設置から一週間後にはこのような有り様になりました。
猫テントの跡形なくぶっ壊されました。猫テントを潰せるまでに大きく成長した証と前向きに捉えましょう(笑)